知的財産権における慰謝料

目に見えない精神的苦痛をお金に換算するのが、慰謝料の最大の特徴です。
しかし、慰謝料を請求する事案自体が目に見えないものというケースもあります。
その最たる例が「知的財産権」です。

知的財産権というのは、著作権や特許権、あるいは商標権など、目に見えない権利全般を指すものです。
この中で、特によく慰謝料の請求が発生する事案となっているのは、著作権です。
インターネットが普及して以降は、著作権侵害そのものの件数や、著作権侵害自体が権利の所有者にバレる事が増え、慰謝料が請求されるケースが増加しています。
よく見受けられる事案は、「ホームページで公開されている文章をコピーし、自分が作成するホームページに使用した」「酷似したメロディや歌詞を使った楽曲を世に出した」「同じような構図の絵を何度も使用した」といったものです。
著作権を侵害したと見なされるかどうかは、類似性と頻度で判断されます。
全く同じであれば当然ながらアウトですが、偶然に似てしまった場合は著作権侵害とはならず、その線引きが難しい事案です。

特許権の侵害に関しては、特許法により世界水準でしっかりと保護されている事もあり、比較的白黒が付けやすいようです。
特許権を侵害するケースは意図的な事が多いという事も、慰謝料の請求が認められやすい要因となっています。

これらの目に見えない権利に対する侵害は、国内に留まらず、国外においても行われている事がままあります。
そういう意味でも、取り扱いが難しい問題と言われています。

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