労働問題における慰謝料

離婚トラブルや交通事故以外で、慰謝料が発生する事案として多いのは「労働問題」です。
職場における対人トラブルをはじめ、リストラ、残業などの労働時間の過多、さらにはセクハラやパワハラなど、労働に関する問題は近年増加の一途を辿っており、慰謝料を請求するケースも比例して増えています。

このうち、特に慰謝料請求の事案となりやすいのは、リストラ問題とセクハラ問題です。
リストラに関しては、2000年代に突入して以降、急激に増えてきています。
例として、「退職届を強制的に書かされた」「自分に責任はないのに、懲戒解雇と同等の条件で辞めさせられた」等といったケースが見受けられます。
当然、こういった事は健全な行為とはいえず、立派な違法行為です。
さらに精神的苦痛の要因であるため、慰謝料請求が可能な事案となります。

セクハラは、かなり昔から問題視されていたトラブルですが、「セクハラ」という言葉が1989年に流行語となって以降、急激に訴訟件数が増加したと言われています。
以後、セクハラ対策を念頭に置いた会社作りが行われるようになる一方で、なかなか撲滅が難しい問題という事で、近年もセクハラによる慰謝料請求はかなり多く行われています。
基本的に、セクハラ訴訟は証拠の提出が難しい問題です。
そのため、直接的な証拠ではない、状況証拠であっても、ある程度の数を集めれば、勝訴するというケースも少なくないようです。

パワハラに関しては、2000年代になって特に増えたという印象が強くあります。
その範囲は年々広がっており、対策がなかなか追いついていないというのが実状です。

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